栄養価計算において水はどうする? 栄養成分や量の疑問を解決!
栄養価計算をするときに、ふと「水はどうするの?」と思う方がいるかもしれません。
あらゆる食事において、水分となる水は欠かせないものです。
今回の記事では、この水に焦点を当てて、栄養価計算における栄養成分や量についての疑問を解決していきたいと思います。
目次
栄養価計算で水はどうする?
通常、栄養価計算というものは栄養士や管理栄養士が献立やレシピを考える時に行うものですが、最近は健康ブームから家庭でも栄養価を意識する人が増えてきました。
実際に栄養価計算をする時、文部科学省が発表している「日本食品標準成分表」を基に計算します。しかし、標準成分表には「水」の記載がありません。
では、水を使った栄養価計算はどうするのが正解なのでしょうか。
まずは水の栄養価について、解説したいと思います。
一般的な栄養価計算については、ひとつ前のコラム記事でもご紹介しています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。
●関連コラム記事:「栄養価計算のやり方って? 計算方法から注意点まで基礎を解説」
水の栄養成分やエネルギー(キロカロリー)は?
基本的に水のエネルギー(kcal)は、量に関係なく0kcalです。
もちろん、水を凍らせて作る氷も同じく0kcalになります。
よって、エネルギーに関して水は気にする必要がありません。
ミネラルウォーターや水道水などには微量のミネラル分が含まれている場合もありますが、
日本で多く流通している軟水であれば料理への影響も少ないと考えられます。
文部科学省による「日本食品標準成分表」の最新版、2020年版(八訂)には、これまでになかった地方別の「水道水の無機質」が収載されるようになりました。
地方によって水に含まれる無機質に差がありますので、ご興味がある方はこちらをチェックしてみてください。
●参考サイト:「日本食品標準成分表」2020年版(八訂)/水道水中の無機質
水の栄養価計算での注意点
前述のとおり、エネルギーは0kcalとしますが、栄養成分の「水分量」は水100gあたり「100g」で計算します。
特に透析患者様の体重管理において、体内の水分量がそのまま体重の増減につながるため、水分量の管理が重要です。
透析治療を受けている方は、体の余分な水分を透析で抜き終えた時の目標体重、「ドライウェイト」が設定されます。
食事においてもなべ物や汁物、麺類など水分の多い料理はなるべく控え、焼く、揚げる、炒めるなどの調理方法を多く取り入れる工夫が必要となります。
単に飲む水だけではなく、食品に含まれる水分量の栄養価計算は欠かせません。
栄養価計算で水を多く使うものはどうするのが正解?
水は人が生きていくうえで欠かせないものであり、体内の水分量が一定に保たれることで健康の維持へと繋がっています。
成人が1日に摂取する量は、文部科学省による「日本食品標準成分表」2020年版(八訂)においても「気温、湿度、活動強度等により変動するものの 飲料水として約1.2 L、食品中の水分として約1 L、栄養素の代謝で生じる水(代謝水)が約0.3 Lである」との表記があります。
ここでは水分量の多い食品に関して、栄養価計はどうするのかを見ていきたいと思います。
だし汁の栄養価計算はどうする?
「日本食品標準成分表」2020年版(八訂)では、「調味料類」の項目から各だし汁についての掲載もあります。
あごだしやかつおだし(荒節)、昆布だし 水出し、昆布だし 水出し、昆布だし 煮出し、しいたけだし、煮干しだしなどの和食のだし汁から、鶏がらだし、中華だし、洋風だしまでさまざまなだし汁の項目があるので、こちらを参考にしてみてください。
これらのだし汁は、エネルギーや各栄養素はほとんど0ですが、一部のだし汁ではナトリウム、カリウム、ヨウ素が他のだし汁よりも多く含まれているので、確認が必要です。
ご飯やおかゆの栄養価計算はどうする?
ご飯やおかゆにとって水分となる水は大事な要素です。
使用する水の量によって、味や食感が大きく変わってきますよね。
しかし、米に加水する水分量によってご飯の成分値に影響がでることはないと言われています。
ご飯やおかゆで栄養価計算に影響するのは、こめの種類や搗精度(とうせいど:こめのつき具合)です。「日本食品標準成分表」2020年版(八訂)で「こめ」の項目から精白米、玄米、半つき米など細かく掲載されているので、そちらを参考にしましょう。
お茶やコーヒーなどの栄養価計算はどうする?
水を使い、ほとんどが水分である飲み物の場合、抽出したり溶かしているものによって栄養価成分が変わってきます。
こちらも「日本食品標準成分表」2020年版(八訂)において、お茶やコーヒーが掲載されていますので、その値で栄養価計算します。
特に、お茶は「茶類」の項目から煎茶や玉露、抹茶、かまいり茶、ほうじ茶、紅茶などと細かく分類されています。お茶は「浸出液」で栄養価計算し、茶葉を粉末状にして料理に加える場合は「茶」で栄養価計算します。
お茶やコーヒー以外にも、アルコールやジュースなども掲載されているので、参考にしてみてください。
栄養価計算の水の栄養価はほとんど0ですが、水分量の確認や料理の総量(出来上がり量)に関わりますので、必要に応じて計算するとよいと思います。
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