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2023.04.25

栄養価計算に欠かせない「廃棄率」の計算方法は?

栄養価計算に欠かせない廃棄率

栄養価計算は、食事管理や指導が必要な給食・スポーツ・介護・医療などの分野で、栄養士・管理栄養士が献立作成の際に使うことが多いです。

その他にも、「自分の健康管理をしたい」「栄養バランスの取れた食事を作りたい」というように、健康維持のために、普段の食事でも栄養価計算をするという方もいます。

そこでこの記事では、栄養価計算に欠かせない「廃棄率」について解説します。

栄養価計算に必要な数字「廃棄率」とは?

廃棄率とは

「廃棄率」とは、食品の重量に対する廃棄部分の割合をパーセンテージで表した数値のことです。

栄養価計算をする際には、食品の「可食部」を知る必要があり、その可食部を知るために必要なのが「廃棄率」。

普段の食習慣において、一般的には食べずに捨てる部分を廃棄部分とし、例えば魚の骨や果物の皮・芯などの部分が廃棄物にあたります。

また、栄養価計算を行う時には、使用する食材の重量を把握するのはもちろん、食品成分表の中から食品を適切に選び、算出した成分値を適切に使用するなど、食品や栄養の知識などが必要になります。

なお、栄養価計算をする際には、文部科学省より公表されている「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」の中から該当する食品を適切に選ぶ必要があります。

一般的な栄養価計算についてはこちらのコラム記事でもご紹介しています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。

●関連コラム記事:「栄養価計算のやり方って? 計算方法から注意点まで基礎を解説

廃棄率が高い・低い食品の例

ここでは、廃棄率についてより理解を深めるため、普段何気なく食べている果物の廃棄率についてまとめました。

廃棄率0%〜10%の果物

食品廃棄率(%)廃棄部位
いちご 生2ヘタ及び果梗
りんご 皮付き 生8果しん部
さくらんぼ 国産 生10核及び果柄

廃棄率40%以上の果物

食品廃棄率廃棄部位
すいか 生40果皮及び種子
パイナップル 生45はく皮及び果しん部
メロン 生(温室メロン)50果皮及び種子

このように、果物を例にあげて廃棄部分をイメージすると理解しやすいかと思います。
廃棄率が0%〜10%の果物は、「捨てる部分が少ない食品」とも言えます。

参考:文部科学省 第2章(データ) (Excel:1.9MB)

廃棄率の計算方法

廃棄率の計算方法

廃棄率=廃棄部位の重さ÷全体の重さ

以上が廃棄率を求める際の式です。

例えば、全体の重さが100gのみかんがあった場合、そのうち可食部が80gだとすると、
廃棄部位の重さを求めるには、100g − 80g=20gとなり、廃棄部位の重さは「20g」です。

廃棄率の計算は、20÷100=0.20となり、パーセンテージにする場合は×100をすると、0.20×100=20%です。よって、全体の重さ100gのみかんの廃棄率は「20%」になります。

食品標準成分表の「廃棄率」

食品標準成分表に記載された「廃棄率」を用いて栄養価計算をすることも可能です。

しかし、実際には食材の個体差、地域差、季節差、調理担当者によって廃棄する部分や量が異なるため、成分表にある廃棄率とは誤差が生じる可能性が高いと言われています。

そのため、自分で実際に食品の重さを量って、廃棄率の平均を出すのが望ましいです。

キャベツを例に説明します。
キャベツの廃棄率は食品標準成分表の表記では15%です。実際に10kgのキャベツを処理し、可食部が8.8kgだったとします。この場合の廃棄率の実測値は、
(10kg − 8.8kg) ÷ 10kg = 0.12
となり、廃棄率は12%となります。

毎回の処理にて廃棄率を計測することは難しいですが、一度計測することで廃棄量の感覚が身につき、季節や個体差による廃棄率の傾向を把握することができます。

これにより、可食部が足りない、余ってしまうなどの対応を減らすことが可能です。

食品成分表から適切に食品を選ぶのは難しい

栄養価計算では、料理に使用する食材を食品成分表から適切に選択する必要があります

しかし食品成分表には、膨大な量の食品が細かく記載されているため、間違った食品を選択する可能性があります。

間違った食品を選択をする例として、「お茶の浸出液」と「お茶」、「銀鮭」と「白鮭」と「紅鮭」、「牛肉」、「豚肉」、「はるさめ」、「醤油」、「酒」などをよく耳にします。
食品標準成分表には似たような名称の食品が掲載されているため、判断に悩む場合があります。

そのため、正確に栄養価計算をする際は、食品標準成分表のデータが反映されたシステムを導入するのがおすすめ。栄養価計算はもちろん、献立作成や料理の色彩・アレルギーを一目で確認することができ、業務の効率化が図れます。

どの食品を利用して栄養計算するのか、判断がつきやすく、管理栄養士に相談できることもシステムを選ぶ上でポイントとなります。

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