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2023.10.13

高齢者が食べやすい・食べにくい食事って? 介護における食事や調理の工夫ポイント

高齢者が食べやすい・食べにくい食事って? 介護における調理の工夫ポイント

高齢者になると噛む力や飲み込む力が弱くなり、食事に工夫が必要となります。
また食事のなかでも食べにくいものが出てくるので、栄養のバランスが偏ってしまうことも。
高齢者にとって負担が少なく、毎日の食事が楽しくなるようにするにはどのようにすべきでしょうか。

今回の記事では、高齢者の食事における食材選びや調理の工夫についてご紹介します。
高齢者の心身の特徴をおさえながら、食べやすい食事作りを心がけましょう。

高齢者の食事の工夫1:食べにくいものに気を付ける

高齢者の食事の工夫1:食べにくいものに気を付ける

高齢者は食事をするために必要な咀嚼(そしゃく)力や嚥下(えんげ)力が低下するほか、加齢により唾液の分泌量が減って食事がしづらくなるといわれています。

咀嚼力は食べ物をしっかりと噛み砕く力で、嚥下力は噛み砕いた食べ物を飲み込む力のこと。どちらも食事をする上でとても大切です。

飲み込みづらさやむせてしまうことが増えてきたら、それは「嚥下障害」のサインかもしれません。嚥下障害があると食べる楽しみが減ってしまいます。
ここでは、高齢者が食べにくいものを具体的に取り上げてみました。
私たちが日常的に難なく食べているものでも、高齢者にとってはリスクとなる場合があります。食べづらい食品は食卓に並べるのを避けたり調理法を工夫したりしましょう。

介護に関わる方は、ぜひこれらの知識を頭に入れておいてください。

高齢者が食べにくいもの1:パン、クッキー、卵の黄身

高齢者は唾液分泌量が少なくなる傾向にあり、水分が少なくパサパサしているものは食塊形成がしづらく飲み込みにくくなります。
日常的に食べるトーストやせんべいなどにも注意しましょう。

高齢者が食べにくいもの2:お茶、スープ、ジュースなど

さらさらとした液体だと嚥下反射が追い付かず、誤嚥してむせやすくなります。
飲み物にはとろみを付けるなど、十分な注意が必要です。

高齢者が食べにくいもの3:餅、団子、海苔、最中の皮

粘りがあったり、薄い形状であったりするものは、口腔内に貼り付く傾向があります。よく海苔や最中などを食べると上あごに張り付くことがありますが、高齢者の場合はそのまま飲み込めずでむせる原因となります。

高齢者が食べにくいもの4:いか、こんにゃく

弾力がある食品は咀嚼しづらく、いつまでも口のなかで処理できないことがあります。料理に使う場合はやわらかく調理をしたり、すり身にしたりするなどの工夫が必要です。

高齢者が食べにくいもの5:ごぼう、れんこん

ごぼうやレンコンなどの繊維が多く硬い食品は加熱しても硬さが残り、噛み砕くための力が必要です。
特に歯がない場合や義歯では噛みきれず、口のなかに残ってしまう可能性があります。

高齢者が食べにくいもの6:酢の物、柑橘類、オレンジジュース

酢や柑橘などは酸味があるものは唾液の促進を促す効果がある反面、酸味が強すぎるとむせてしまう原因になるため注意しましょう。

高齢者の食事の工夫2:食べやすいものを選ぶ

高齢者の食事の工夫2:食べやすいものを選ぶ

高齢者にとって食べづらいものを紹介しましたが、次に食べやすいものをご紹介いたします。
食べやすいものの例にスープやゼリーなどが挙げられますが、基本的に噛みやすく、安全に飲み込めるものになります。

咀嚼力や嚥下力が低下した高齢者にも喜んでもらえるものを把握して、なるべく栄養の偏りがない食事の提供を心がけましょう。

高齢者が食べやすいもの1:ポタージュスープ、シチューなど

ポタージュスープやシチューはとろみがあり液体がまとまるため、飲み込みやすく口腔内の動きがゆっくりとなります。具材もやわらかく煮ておけば、嚥下反射が遅れる人でもスムーズに嚥下できるので安心です。

味噌汁や野菜スープなども一見食べやすそうですが、、水分の多いものは喉をつませやすくなります。
とろみをつける工夫をするとよいでしょう。

高齢者が食べやすいもの2:ゼリー、プリンなど

のど越しがよく飲み込みやすいゼリーやプリンは、噛む力や飲み込む力が気になる高齢者の方でも安心して食べられる食品です。
スイーツとしてはもちろん、食欲がないときでも食べやすいので、栄養補給のために、ピューレ状の食材を固めたゼリーを利用することもあります。

高齢者の食事の工夫3:食べやすく調理する

高齢者の食事の工夫3:食べやすく調理する

高齢者の食事は食べにくいもの、食べやすいものを理解したうえで食材を選定するだけではなく、調理にも工夫が必要です。

例えば硬い食材や大きな食材は高齢者にとって食べにくいため、細かく刻んだりよく加熱してやわらかく煮こんだりする必要があります。

ここでは高齢者が食べやすいように調理する方法をご紹介します。

食材をやわらかく煮る、蒸す

硬い食材は煮たり蒸したり、時間をかけてよく加熱することでやわらかく調理して咀嚼しやすく、飲み込みやすくします。
一口大にするなど、食べやすい大きさに切っておくと火の入りもスムーズです。

嚥下障害のある方によっては歯茎や舌でつぶせるぐらいやわらかくする必要があることも。
食材を圧力鍋で煮たり、調理後にこし器やざるで裏ごしてなめらかにしたり、ミキサーを使ったりすると飲み込みやすくなります。

野菜や肉に切り込みを入れる

高齢者の方が噛みやすくなるよう、野菜や肉は下処理の段階で丁寧に繊維質を断ち切っておきます。

特に噛みにくい肉は叩いたり、皮脂身の部分を取り除いたりしておくとより食べやすくなります。

野菜はナスやトマトなどの野菜は皮をむき、葉野菜はなるべくやわらかい葉先の部分を使って、芯や繊維質なところは繊維を断ち切るように細かくカットしておきます。

液体にとろみをつける

汁物や煮汁など水分が多く飲み込みにくいようなものは、スムーズに喉を通るようにとろみをつけていきます。
とろみをつけることで液体がまとまるため、嚥下反射が遅れる人でもスムーズに嚥下できます。

飲料には市販のとろみ剤、料理には、片栗粉やコーンスターチを使ってとろみを付けると良いでしょう。

あんかけにする

野菜や魚のおかずなどでぱさつきがちな食材は、あんかけ風にアレンジすることで食材の水分を補うことができます。

ただし、とろみをつけすぎると逆に飲み込みにくくなるので、加減に注意しましょう。


高齢者向けに調理をする際の工夫をご紹介しました。
介護食を作るには、食べやすい食材を選んだり、食べやすいように一口大に切ったり、とろみをつけたりといろいろな手間がかかります。

楽に効率よく食事を作るために、以下のような器具があると便利です。
高齢者が食べやすい食事作りをサポートすることはもちろん、作業の時短にもなるのでぜひ参考にしてみてください。

【調理の際にあると便利な器具】

●魚や肉の形状の型
食材をペースト状にしてゲル化剤で固める際、型に入れることで元の食材の形を再現できます。

●蒸し器、圧力鍋
煮る、蒸すなどして食材を食べやすいやわらかさにしてくれる蒸し器や圧力鍋。特に圧力鍋は具材と調味料をセットすれば煮込み料理が簡単にできるので時間と手間を減らせます。

●フードプロセッサー、ミキサー、ブレンダー
食材を刻む、ペーストにする、なめらかにするなど手間のかかる調理が手軽に行えます。

高齢者の食事の管理なら「ソフトム」におまかせ

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