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2020.08.31

ソフトム通信 第52号 日本食品標準成分表の改定

いつも大変お世話になっております。
今回は「日本食品標準成分表の改定」について
お話いたします。

2020年末に文部科学省より
「日本食品標準成分表 2020 年版(八訂)(仮称)」が公表予定です。

今回の改定では、5年に1度の大幅改定であり、
栄養士、管理栄養士の皆様にとって「見逃せない重要情報」かと思います。

今回の改訂では、
主に「エネルギーの算出方法」の変更により、
エネルギー値も変わるため、情報の早い皆様も
注視されていることと思います。

食品成分分析法は近年の分析技術の進展、エネルギー産生成分の値の改定により
たんぱく質、脂質、炭水化物からエネルギー値を「真値」に近づける
取り組みであるとされています。

エネルギー値を「より正しい数値」に近づけることができたということです。

ただ、算出方法変更により、同じメニューの栄養計算結果が
七訂成分表と八訂成分表では数値が異なります。
献立作成や栄養指導など、栄養士様の実務にも影響があることから
注視されていることと思います。

もう少し詳しく説明すると、
いままでのATWATER係数(アトウォーター)による算出から
「組織成分ごとの換算数」に変更になりました。

例えば、
一口に「炭水化物」といっても消化性に違いがあり、
よく燃えるぶどう糖>糖アルコール>あまり燃えない食物繊維、
すべてを1g4kcalで計算していたため真値より値が大きくなっていました。
八訂では「エネルギー産生成分ごと」に一定の係数をかけることとしました。

試算の結果、文部科学省で七訂成分表と八訂成分表で比較したところ、
100g当たりのエネルギー値が全体で約-12kcalと全体的に低くなりました。
最もマイナス側に乖離した食品は茶葉で-114kcal、
最もプラス側に乖離した食品はココアで+115kcalでした。
(資料2-1 P.6 試算結果 参照)

使用頻度の高い食品としては、
H26年国民健康栄養調査の摂取量より試算の結果、
1人1日当たりの摂取量ベースの乖離上位は次の通りでした。

めし   :-36.0kcal/日・人(現行の人日量:470.2kcal)
鶏卵   :-9.7kcal日・人(現行の人日量:48.4kcal)
じゃがいも:-5.1kcal日・人(現行の人日量:23.3kcal)
普通牛乳 :-4.0kcal日・人(現行の人日量:44.8kcal)
(資料2-1 P.8表 参照)

八訂成分表を使用すると実際に近い値を算出できる反面、
これまでの成分表で算出したエネルギー値と比較する際に
留意が必要とのことです。
(2020年全国栄養士大会 講義より)

八訂成分表ではこの他にも変更が見込まれております。
ソフトムに新しい情報が入りましたら、随時配信してまいりますので、
今後ともよろしくお願いいたします。

詳細は下記をご参照下さい。

・日本食品標準成分表のエネルギー値の算出方法を変更します(文部科学省)
https://www.jsnfs.or.jp/wp-content/uploads/file/news/news_20200511_jsnfs.pdf

・文科省HP 第十期食品成分委員会(第18回) 配付資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/011/shiryo/1422931.htm

・資料2-1 組成に基づく成分値を基礎としたエネルギー値の算出について(案)
https://www.mext.go.jp/content/1422931_003_1422931_03.pdf

ソフトム通信では様々なテーマの情報をご紹介してまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。