給食の現状に潜む問題点とは|課題解決に貢献するサービスについても紹介

給食は主に学校や保育所、病院、介護施設、企業などで提供されている、集団向けの食事サービスのことです。
特に今後は、保育所(特定教育・保育施設、特定地域型保育事業を含む)の増加や高齢化による介護事業所の需要の高まりから、給食はさらに必要性が高まると予想されます。その一方で、給食を運営する現場では人材不足や運営コスト増大といった問題も抱えています。
本記事では、給食運営の問題点やそれらの対策についてまとめました。さらに給食運営の問題点を解消するための役立つサービスについてもあわせてご紹介します。
目次
給食運営における問題点|1. 食べ残しや調理残渣といった食品ロス
食品ロスとは、本来食べられる食品が何らかの理由で廃棄されることを指します。給食の現場でも食材の仕入れや調理、そして喫食者への食事提供といったあらゆる過程で、食品ロスが発生します。
給食における食品ロスには主に「食べ残し」と「調理残渣」の2種類があり、それぞれの主な原因は以下の通りです。
食べ残しの原因 |
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調理残渣の原因 |
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こうした食品ロスは、食材が無駄になることで食材料費がかさむだけでなく、環境や経済に悪影響を及ぼす恐れがあります。
関連記事:「給食で生じる食品ロスを削減するための対策や取り組みとは?」
対策
近年では、食品ロスを削減するための取り組みが全国的に進められており、給食の現場でも対策が急がれています。
食べ残しの対策 |
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調理残渣の対策 |
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このような取り組みによって、食材の無駄を減らし、効率的な調理と適切な食材管理を徹底することが可能になります。その結果、食材料費の削減だけでなく、持続可能な社会の実現にも貢献するでしょう。
給食運営における問題点|2. 調理従事者の人材不足
給食業界では、以下のような複数の要因から人材確保が難しく、慢性的な人材不足が深刻化しています。
- 給与水準の低さ
- 若年層の確保が困難(体力的な負担、長時間労働などの理由から)
- 高齢化に伴う退職者の増加 など
給食は提供時間が決められているため、決まった時刻までに調理・盛り付けを終わらせる必要があり、業務のスケジュールがタイトです。その結果、調理従事者の人員が不足すると現場の負担がさらに増す悪循環が生じる恐れがあります。
対策
給食の調理従事者の人材不足を解消するためには、新規採用の強化だけでなく、既存の従業員の定着を促進させることや少人数で効率的に作業できる環境づくりも欠かせません。具体的には次のような取り組みが挙げられます。
新規採用 |
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既存従業員の定着 |
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作業効率化 |
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(※1)クックチル:加熱調理後に冷却してチルド保存し、提供のタイミングで再加熱・盛り付け・配膳を行う調理方式のこと
(※2)セントラルキッチン:調理を一括して行い、調理したものを複数の店舗や施設に配送する仕組みや施設を指す
例えば完全調理食品を導入すれば、食材料費がやや増加する可能性はあります。しかし、調理の手間を大幅に削減できるため、人件費や作業効率など総合的に見た場合、コスト削減につながるケースもあるでしょう。
こうした取り組みを通じて、人手不足の問題を緩和し、給食の安定した提供を確保する必要があります。
給食運営における問題点|3. 給食運営コストの高騰

給食は「安心・安全」「美味しさ」「栄養」に加え、コストも考慮しながら、運営しなければなりませんが、このコストが高騰する傾向が見られます。特に「食材料費」「人件費」は増加傾向にあり、給食事業の運営を圧迫している状況です。
食材料費 |
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人件費 |
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日本では多くの食材を輸入に依存しているため、輸送費や為替相場の変動によってコストが左右されやすい傾向にあります。一方で、国内生産の食材であっても、飼料や肥料、設備維持費などの高騰に伴い、野菜や畜産物の価格も上昇傾向にあります。
また人件費は、最低賃金の引き上げや人材不足による採用競争が影響しており、上昇傾向が見られます。
対策
食材料費や人件費の高騰から、施設によっては給食費の値上げに踏み切るケースは少なくありません。
また、今後も価格高騰が続く対応として、給食現場では下記のような対策を講じています。
食材料費 |
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人件費 |
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例えば、地元の食材を活用すれば輸送コストを抑えられ、献立原価管理システムを導入すれば日々のコストを明確に把握できます。
また、人手不足に対応するために給食業務を外部に委託したり、クックチル品や完全調理食品を取り入れたりすることで、労働負担を軽減しながらコストの最適化を目指すことが可能です。
給食運営における問題点|4. 管理栄養士・栄養士の定着が不安定
給食運営では、献立作成をはじめ、食材料発注や衛生管理、調理指導、アレルギー対応など多岐にわたる業務を管理栄養士・栄養士が担っています。しかし、管理栄養士・栄養士の人材不足や離職率の高さが課題となっており、その背景には下記の要因があると考えられます。
- 給与水準の低さ
- 長時間労働
- 業務過多による負担増 など
施設の食数や人数によっては管理栄養士・栄養士の配置規定があるため、管理栄養士・栄養士の定着が安定しないことは、給食提供に支障をきたす恐れがあります。
対策
管理栄養士・栄養士の定着は、安定した給食運営に直結するため、管理栄養士・栄養士を支援する環境づくりや雇用の見直しが必要です。具体的には下記のような対策が考えられます。
- 自動献立作成ツールの導入
- 手作業で行っている作業のシステム化
- リスキリング制度の充実(福利厚生の充実)
- 給与の見直し
- 栄養士業務をサポートするスタッフの配置 など
これらの取り組みにより、管理栄養士・栄養士の負担を軽減し、働きやすい環境を整備することで人材確保と給食運営の維持が期待できるでしょう。
ソフトムのサービスが給食運営における課題解決をサポートします

給食業界は、人材不足や給食運営コストの増加といった問題点を抱えているものの、今後も給食の需要は拡大すると予想されています。そのなかでも、給食の品質を管理する立場である管理栄養士・栄養士に対する業務支援は欠かせません。
給食施設で働く管理栄養士・栄養士にとって、特に頭を悩ませるのが「献立作成」です。献立を作成する際には、以下のような点を考慮しなければなりません。
- 献立内で同じ食材や味付けが重複しない
- 1食あたりの原価に抑える
- 栄養価の基準を満たす など
これらをすべて踏まえたうえで献立を計画するため、時間や手間がかかりがちです。
ソフトムが提供する給食管理システム「メニューデザイナーNEXT」は、給食施設に従事する管理栄養士・栄養士の献立作成業務を支援します。一部に以下のような便利な機能があります。
- 料理や食品を簡単検索
- 献立内の食品を重複チェック
- 料理のコピー、入れ替えを瞬時に実行
- 栄養価、原価を確認しながら簡単に献立作成 など
さらにオプション機能である「メニューアシスタントAI」は、和洋中のジャンル、使用する食材などの希望に合わせて、自動で献立作成をしてくれる優れもの。献立作成業務の時間短縮に貢献します。
導入から運用までに必要なシステムの利用方法は、給食実務の経験を持つ管理栄養士がサポートを担当しますので、システムに不慣れであっても安心して使うことができます。ぜひ栄養士業務の効率化でお悩みの場合はご相談ください。
<ソフトムのサービスはこちら>
給食運営のことであれば「ソフトム」にご相談ください

健康な生活は、健全でバランスの良い食生活から。
私たち「ソフトム」は、1984年創業以来、食品加工業向けのアプリケーションソフトの開発から始まり、さまざまなお客様の課題解決のお手伝いをしてきました。
プロの栄養士・管理栄養士が利用する栄養管理システムで、献立から発注・仕入・在庫まで、給食業務を幅広い管理で業務の効率化を実現。
プロの管理栄養士がお客様の業務を正確に理解し、導入〜運用・保守までトータルサポートいたします。お困りごとがありましたら、まずはお気軽にご連絡ください。
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