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2023.06.27

老人ホームや介護施設の食事はどんな工夫がされている? 入居前に知っておきたい高齢者食や介護食のこと

老人ホームや介護施設の食事はどんな工夫がされている? 入居前に知っておきたい高齢者食や介護食のこと

老人ホームや介護施設では、高齢者に向けて食事に工夫が必要です。
入居者が毎日の食事を楽しめるように、栄養バランスはもちろん、美味しさや見た目、サービスなど、食に力を入れている施設が増えてきました。

老人ホームを選ぶときに場所やサービス、価格なども重要ですが、入居後に毎日食べる食事もしっかりと吟味したいもの。
今回の記事では、老人ホームの食事の工夫について解説していきたいと思います。

これから施設を探すという方も、入居する前に老人ホームの食事についてぜひ理解を深めておきましょう。

老人ホームの食事提供の工夫について

老人ホームの食事提供の工夫について

老人ホームや介護施設などの入居者にとって、単調になりがちな毎日のなかで食事は楽しみの時間です。

食に関するニーズも年々多様化しており、入居後に「食事が美味しくない」といったクレームにつながらないよう、近年各老人ホームではさまざまな食事の工夫や取り組みを行っています。

美味しく楽しめる食事は、日常生活の満足度につながると言っても過言ではありません。
ここでは老人ホームが食事の提供においてどのような工夫をしているのか、解説いたします。

老人ホームの食事の工夫1:選択食

一般的に老人ホームでは栄養バランスが考えられた献立を提供していますが、一部の老人ホームでは食事の工夫のひとつとして選択食(セレクト食)が取り入れられています。

例えば、和・洋・中のどれにするか、主菜は肉か魚か、ご飯かうどんかそばかなど、介護職員から事前にヒアリングを受け、入居者が自分の好みや食べたいものに合わせて料理を選べるようになっています。

あらかじめ決められた献立は栄養バランスや健康面が配慮されているメリットがありますが、食にこだわりのある入居者にとっては食事内容の自由度が下がり、飽きてしまうという面も。
自分が食べたい食事を選べる選択食は、老人ホームを選ぶ時の人気ポイントにもなっています。

老人ホームの食事の工夫2:イベント食・行事食

老人ホームの食事の工夫1:イベント食

老人ホームなどの介護施設では、通常の食事以外に度々食に関するイベントが行われています。

例えば施設に寿司職人を招き、その場で寿司を握ってもらう催しを開催することも。その際は、咀嚼障害のある方でも食べられるよう、やわらかいシャリにねぎとろを載せるなど工夫がされています。

このほかにも施設で居酒屋風に飾りつけをしたり、お花見や紅葉の時期は外出して外でお弁当を食べるなど、入居者が楽しめるようなイベントが数多く開催されています。

また、老人ホームでは1年を通して季節に合わせたイベントを実施し、さまざまな行事食を提供しています。
1月のお正月にはおせち料理やお雑煮、また2月は節分の恵方巻、3月はひなまつりでちらし寿司や菱餅、12月はクリスマスのケーキや年越しそばなど、季節の行事を取り入れた内容に。

1日の大半を施設のなかで過ごす入居者にとっては食事もマンネリしがちになりますが、行事食があることで季節を感じたり、普段とは違った特別感が味わえたりと、いつもの食事も楽しみやすくなります。

また、高齢者は運動量が減って体力や食欲が落ちる傾向にあります。
イベント食・行事食を取り入れることでいつもの部屋でいつもの食事をするのではなく、食事や雰囲気に変化が生まれて食欲を増進させる働きかけもあります。

イベント食・行事食は単に楽しむものだけはでなく、入居者の生活の質を高める大切な役割を果たしているのです。

老人ホームの食事の工夫3:料理の見た目

老人ホームの食事といえば、質素で地味な食事のイメージを持つ方がいるかもしれませんが、それはひと昔前の話。
最近はどの介護施設でも食事に工夫を凝らし、見た目にもこだわっているところが増えています。
栄養を考えながら彩りのある食事にしたり、美しい盛り付けによって食欲をそそる食事を提供しています。

しかし、ゼリー食など、ペースト状の食材をゲル化剤で固めて提供する介護食においては、形状が画一化しやすいという問題も。こちらも入居者が少しでも食事を楽しめるよう、主菜が魚の場合は魚の形をした型を使用するなどして、元の見た目に近い形で提供できるよう工夫されています。

介護施設各社の食事をチェックしていると、「老人ホームの食事は美味しくなさそう…」というイメージが覆るかもしれません。

老人ホームの食事の工夫4:生産者や作り手が見える

老人ホームによってさまざまな食事の工夫がされていますが、なかには使用する食材をこだわる施設も増えています。
農家から直接届く新鮮な野菜を使い、食事の献立表やポスターに生産者の写真を載せることも。

また、入居者と栄養士や調理師が直接コミュニケーションを取れる施設もあります。
こうして食材の生産者や料理の作り手の顔が見えることで、入居者とその家族にとって食に対しての安心感につながります。

老人ホームの食事で必要な調理の工夫とは

老人ホームの食事で必要な調理の工夫とは

老人ホームなどの介護施設で行っている食事の提供についての工夫をご紹介しましたが、調理面でも入居者の健康状態や体調に合わせてさまざまな工夫をしています。

老人ホームへ入所する高齢者のなかには基礎疾患を抱え、普通食が食べられない方もいます。
加齢による筋力低下、脳血管障害、義歯の不具合などによって咀嚼力や嚥下力が衰え、食べ物を噛み砕いたり飲み込んだりすることが困難になるケースも。

食事に不安がある入居者が安心して食べられるよう、ほとんどの老人ホームでは塩分や食材の硬さなどに配慮した介護食に対応しています。
ここではそんな介護食の調理の工夫について、ひとつずつ解説していきたいと思います。

軟菜食

軟菜食は一般的なメニューとほとんど違いがありませんが、食材をよりやわらかく調理した食事のこと。
噛む力や飲み込む力が衰えてきた人を対象としたものになります。

味も見た目も普通食と変わらないので、入居者が食事を楽しめるのがメリットです。

その分、調理ではノウハウが必要となり、手間暇がかかります。圧力鍋を使ったり、長時間じっくり煮込んだりすることで素材をやわらかくしていくほか、のどに引っかからないように野菜の繊維を断ち切るようにカットするなど、下ごしらえにも工夫が必要です。

容易に噛めるものから歯がない方でも歯茎や舌でつぶせるものまで、食べる人に合わせてやわらかさの度合いも調整します。

ゼリー食

ゼリー食はペースト状にした食事を、ゼラチンや寒天、ゲル化剤などを加えて固めた食事のこと。咀嚼力や嚥下力が弱っている方に適しています。

ゼリー状にしているため、口腔内でまとめやすく、つるんとした食感でのどの滑りもよく、噛み砕かなくても安全に飲み込むことができます。

ミキサー食

ミキサー食は、咀嚼力や嚥下力が低下している方に向けて食材をミキサーにかけて作る食事のこと。
歯がない方や顎の筋力が弱って口が開きづらい方でもスムーズに栄養を摂ることができます。

また食事がペースト状になっているため、食道や胃腸などの消化器官の働きが弱っている方にも負担が少なく、
早く栄養を吸収できるメリットがあります。

ただし、ミキサー食ではすべての食材をミキサーにかけてしまうので、見た目が悪くなってしまうという難点も。
入居者の食欲が減退しないためにも、彩りを鮮やかにしたり、食材ごとにお皿を変えるなどの工夫が必要です。

飲料にとろみをつける

食事の工夫は料理だけではなく、飲料にも配慮が必要です。

嚥下力が低下している入居者には、飲料にとろみをつけて誤嚥を防止します。
嚥下機能が低下すると嚥下の際に喉頭蓋(気管入口の蓋)が閉じるのが遅れ、食物が気管に侵入しやすくなってしまいます。これを「誤嚥」といい、肺炎を引き起こす原因となります。

誤嚥性肺炎は、高齢者の死因のなかでも多いといわれています。
飲料にとろみをつけることで、喉を通過する際に飲料のまとまりを保ちつつ、かつ喉を通過する速度がゆっくりとなるため、誤嚥のリスクを減らすことができます。


これらのほかにも食べやすいように食材を細かく刻んで調理する「刻み食」というものもあります。
しかし、細かい食材が口腔や咽頭でばらけてむせやすくなり、誤嚥のリスクとなりうるため最近ではあまり推奨されていません。

食材を細かく刻む場合は、液体状やペースト状のとろみをつけるなど飲み込みやすくなるような工夫が必要です。

ミキサー食やゼリー食などいろんな調理の工夫をご紹介しましたが、「○○食」の定義は、施設によって異なります。そのため、施設を検討するときや新しく入所するとき、施設変更時などには、食事の形態を確認することをおすすめします。

ちなみに日本摂食嚥下リハビリテーション学会では、「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021」を発表し、食事の形態を5段階に分けて記載しています。

医療・福祉関係者らが共通して使用できることを目的として作られ、介護施設の現場において食事形態の基準として用いられています。

サイトから誰でも確認できるので、より深い知識を知りたいという方はこちらを参考にしてみてください。

●参照サイト:「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021

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