高齢者の夏バテ対策に食事は重要!夏におすすめのメニューも紹介

気温が高くなる季節に、なんとなく体調がすぐれない、食欲が低下するといった症状が見られる場合、それは夏バテの可能性があります。
特に高齢者は、加齢に伴い体の機能が低下しやすく、暑さによる疲労や消耗の影響を受けやすいため、夏バテには十分な注意が必要です。
本記事では、高齢者の夏バテを予防するために適した食事のポイントや、積極的に摂りたい栄養素について解説します。あわせて、夏におすすめの具体的なメニューもご紹介します。
目次
高齢者は夏バテしやすい?
夏バテとは、夏の暑さによる体のだるさや食欲低下などの体調不良の総称を指します。
特に高齢者は、加齢により体温調節機能や食欲、喉の渇きを感じる感覚が低下しやすくなります。そのため、暑さによる体への負担に気づきにくいことがあります。
また、汗をかく量が減ることで体に熱がこもりやすくなり、水分や栄養の摂取が不足しがちです。こうした要因が重なり、高齢者は夏バテを起こしやすくなります。
気を付けたい夏バテの症状
暑い季節に元気がない状態が続く場合は、夏バテの可能性があります。
夏バテは、体調不良が徐々に現れるのが特徴で、本人や周囲が気づきにくい傾向があります。主な症状は次のとおりです。
▼夏バテの症状
- 食欲不振や食事量の低下
- 全身のだるさ・疲れやすさ
- 眠りが浅く夜中に目が覚める
- 集中力や意欲が低下する など
高齢者の場合、食事量が減っている、体重が落ちてきたと感じる場合は特に注意が必要です。
夏バテの原因
夏バテの主な原因は、自律神経の乱れと、栄養や水分の不足です。
▼夏バテの原因
- 室内外の温度差
- 冷房による体への負担
- 食欲低下による栄養不足
- 冷たいものに偏った食事による胃腸の機能低下
- 睡眠不足 など
高温多湿の環境では自律神経が乱れやすく、疲労が蓄積しやすくなります。
夏バテと熱中症の違い
夏バテは慢性的な体調不良であるのに対し、熱中症は命に関わる可能性がある急性症状です。
| 夏バテ | 熱中症 | |
|---|---|---|
| 発症 | 徐々に現れる | 急激に現れる |
| 主な症状 | だるさ・食欲不振など | めまい・意識障害・吐き気など |
| 危険度 | 比較的低い | 高い(緊急対応が必要) |
| 対策 | 食事・生活習慣改善 | 冷却・水分補給・医療対応 |
熱中症は命に関わるため、症状が見られた場合は救急車を呼ぶなどの速やかな対応が必要です。
夏バテ対策で高齢者が意識したい栄養素・成分

高齢者の夏バテ対策では、暑さを避ける工夫だけでなく、日々の食事や水分補給が重要なポイントになります。特に夏は食欲が落ちやすく、必要な栄養素が不足しがちです。
ここでは、夏バテ対策として特に意識したい栄養素と成分を紹介します。
【夏バテ対策で意識したい栄養素・成分】
- たんぱく質
- ビタミンB1
- ミネラル
- 水分
たんぱく質
夏バテ対策には、たんぱく質を意識的に摂ることが欠かせません。
たんぱく質が不足すると、筋肉量の低下だけでなく、体力や免疫力の低下にもつながります。夏は食事量が減りやすいため、知らないうちに不足しやすい栄養素です。
たんぱく質を含む肉・魚・卵や大豆製品などを意識してとりましょう。特に卵や豆腐、納豆、白身魚、ささみ、ヨーグルトなどは、高齢者も食べやすい食品です。
関連記事:1日に必要なタンパク質がとれる献立とは?メニュー例と摂取のポイントをご紹介
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。
ご飯や麺類などの糖質を摂っていても、ビタミンB1が不足していると、十分にエネルギーとして活用できません。その結果、疲れやすさやだるさを感じやすくなります。
ビタミンB1は、豚肉やうなぎ、玄米、枝豆、にんにくなどに多く含まれています。主食と組み合わせて摂るようにしましょう。
ミネラル
ナトリウムやカリウムなどのミネラルは、体の調子を整えるために必要な成分です。
汗をかくと、体内のミネラルは失われやすくなります。不足すると、だるさや食欲低下、体調不良を引き起こす原因になるため、意識して補うことが大切です。
ただし、腎疾患などの持病がある場合は、ナトリウムやカリウムの摂取制限が必要なケースもあります。その際は、自己判断せず、必ず医師や医療専門職の指示に従うようにしましょう。
水分
こまめな水分補給は、暑い夏を過ごすために必須の対策です。
高齢者は喉の渇きを感じにくく、水分不足に気付きにくい傾向があります。そのため、脱水状態になることも少なくありません。
一度に多く飲むのではなく、コップ1杯程度の水を1〜2時間おきに摂取するというように、水分を少量ずつこまめに摂ることが大切です。
高齢者の夏バテ対策のために食事で大切なこと
高齢者の夏バテ対策では、栄養素の内容だけでなく、食事のとり方も重要です。夏は食欲が落ちやすく、食事量が減りやすいため、無理のない工夫が必要になります。
ここでは、日々の食事で意識したいポイントを紹介します。
食事をしっかり食べる
量を増やすよりも、食べ続けられる工夫を重視することが大切です。
高齢者は夏に食欲が低下しやすく、毎食しっかり食べられないことも少なくありません。食事量が減ると、栄養不足につながりやすくなります。
一度に多く食べようとせず、食事や間食を含めて1日4〜5回に分けて摂ると、体への負担を抑えながら栄養を補えます。おにぎり半分、ヨーグルト、ゼリーなどを間食として取り入れるのも有効です。
また、食事をしっかり食べるために香りや風味を活かすことも良いでしょう。しそ、みょうが、しょうが、ねぎなどの香味野菜や、カレー粉、山椒、柚子などの香辛料を使うと、さっぱりと食べやすくなり、塩分を控えながら満足感を高められます。
水分補給もできるメニューを取り入れる
水分は、飲むだけでなく食事から補うことも大切です。
高齢者は喉の渇きを感じにくく、水分不足になりやすい傾向があります。スープやゼリーなどを食事に取り入れることで、水分と栄養を同時に摂ることができます。
野菜を使ったみそ汁や冷製スープ、麦茶ゼリー、野菜のゼリー寄せなどがおすすめです。食事量が少ない場合は、市販の高カロリーゼリーを活用するのも一つの方法です。
関連記事:高齢者が低栄養になる原因とは? 栄養バランスを考えた食事で健康のサポートを
食欲が落ちがちな夏におすすめのメニュー

夏はどうしても食欲が落ちやすくなりますが、調理法や味付けを工夫することで、食べやすくなります。実際に施設で提供されていることの多いメニューとしては以下があります。
| <うな丼> 土用の丑の日に提供されることが多く、うなぎはビタミンB群やたんぱく質が豊富です。 <アジの南蛮漬け> さっぱりとした味付けであるため喉を通りやすい一品。夏でも取り入れやすいメニューです。 <夏野菜カレー> 素揚げした夏野菜を乗せたカレーは、彩りがよく食欲を刺激します。香辛料の風味で満足感が高まり、野菜もしっかり摂れます。 <茶碗蒸し> 喉越しがよく、食欲が落ちているときでも食べやすい料理です。卵料理であるため、たんぱく質補給にも役立ちます。 |
このように食べやすさと栄養の両方を意識したメニューを取り入れることで、夏場でも無理なく食事を続けやすくなります。
関連記事:老人ホームの食事の献立はどんなもの? 入所前にチェックしたいポイントも紹介
夏バテ対策のために意識したい生活習慣
夏バテ対策には、食事や水分補給に加え、生活習慣を整えることも重要です。高齢者は体力や体温調節機能が低下しやすく、生活リズムの乱れが体調不良につながりやすい傾向があります。
無理のない運動、十分な休養、快適な環境づくりを意識することが、夏を元気に過ごすポイントです。
【夏バテ対策のために意識したい生活習慣】
- 適度に運動をする
- 良質な睡眠をとる
- 涼しい環境を確保する
適度に運動をする
軽い運動を習慣化することで、夏バテしにくい体を維持できます。
体を動かさない状態が続くと筋力の衰えが進みやすくなります。その結果、体温調節機能や基礎体力が落ち、夏バテを引き起こしやすくなります。
室内での体操や、椅子に座ったままできるストレッチは、体への負担が少なく取り入れやすい運動です。外出できる場合は、朝や夕方の涼しい時間帯に短時間の散歩を行うのも良いでしょう。
良質な睡眠をとる
十分な睡眠は、夏バテ対策の基本です。
睡眠不足が続くと自律神経が乱れやすくなり、疲労が十分に回復しません。その状態が続くことで、だるさや食欲不振を招きやすくなります。
しっかりと眠るためには以下のような工夫をしましょう。
▼良質な睡眠で意識したいポイント
- 寝る前には冷房を使って室温を整える
- 寝る直前にテレビやスマートフォンの画面を見ないようにする
- 昼寝をする場合は30分以内におさえる など
涼しい環境を確保する
我慢せず、冷房や扇風機を適切に使うことが夏バテ対策につながります。
高齢者は暑さを感じにくく、知らないうちに体に熱がこもりやすい傾向があり、暑さを我慢することが体調不良の原因になる場合もあります。
冷房をつけたうえで、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させましょう。冷房を我慢せず、体調管理のための大切な手段として上手に活用することが大切です。
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