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2024.05.22

1日に必要なタンパク質がとれる献立とは?メニュー例と摂取のポイントをご紹介

1日に必要なタンパク質がとれる献立とは?メニュー例と摂取のポイントをご紹介

タンパク質は三大栄養素の一つで、体を構成する材料にもなる栄養素ですので、献立に積極的に取り入れたいもの。

しかし、タンパク質の重要性を分かってはいるものの、

「毎日の食事でタンパク質が足りているか心配」

「1日に必要なタンパク質量が充足できる食事ってどんなもの?」

と、タンパク質が十分に摂れる献立というのはイメージしにくく、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、タンパク質摂取量の計算方法や1日あたりのタンパク質量を60gとした場合の献立例をご紹介します。

また、献立で意識したいタンパク質摂取のポイントについてもまとめていますので、毎日の食事の参考にしてみてください。

タンパク質は身体を作る材料となる栄養素

タンパク質は炭水化物や脂質とともに三大栄養素と呼ばれ、エネルギーを産生する栄養素の一つ。筋肉や臓器、皮膚、毛髪、骨といった人間の身体を構成する材料としての役割があります。

体内に存在するホルモンや酵素、免疫に関わる抗体といった体調節機能成分としても重要な役割を担っており、生命の維持や活動のためにも欠かせない栄養素です。

しかし、ダイエットや偏った食事などでタンパク質が不足すると、成長障害のほか、体力・免疫機能の低下などが起こる恐れがあります。

特に、アスリートやトレーニングをしている人、運動習慣がある人は活動量が多く、運動後の筋肉修復・肥大のために多くのタンパク質が必要です。

そのため、タンパク質は日々の食事からしっかりと摂取する必要があります。

1日に必要なタンパク質摂取量は?

「タンパク質はしっかり摂らないといけない」と分かっていても、具体的に1日にどのくらいの量のタンパク質を摂ると良いのでしょうか。

1日に摂取するべきタンパク質量は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において性別・年齢ごとに推奨量(※1)と目標量(※2)が設定されており、以下のような数値となっています。

▼タンパク質の食事摂取基準

推奨量(※1)
(g/日)
目標量(※2)
(%エネルギー)
年齢等男性女性男性女性
1~2(歳)202013~2013~20
3~5(歳)252513~2013~20
6~7(歳)303013~2013~20
8~9(歳)404013~2013~20
10~11(歳)455013~2013~20
12~14(歳)605513~2013~20
15~17(歳)655513~2013~20
18~29(歳)655013~2013~20
30~49(歳)655013~2013~20
50~64(歳)655014~2014~20
65~74(歳)605015~2015~20
75以上(歳)605015~2015~20

参考:日本人の食事摂取基準(2020年版)

項目 概要
(※1)推奨量 対象年齢に属するほとんどの人が充足していると推定される摂取量で各年齢の平均的な体重の人を想定して算出
(※2)目標量 生活習慣病の発症予防を目的とし、その疾患のリスクが低くなると考えられる栄養状態を達成できる摂取量。現在の日本人が目標とすべき摂取量

参考:日本人の食事摂取基準(2020年版)

推奨量は栄養素の摂取不足回避をするための指標であり、目標量は生活習慣病の発症予防のための指標だと覚えておきましょう。

例えば35歳男性の場合、タンパク質摂取の推奨量は食事摂取基準の表より「65g」だと分かります。

一方で、目標量は%エネルギーであるため、エネルギー摂取量をもとに、以下の計算式から目標量のタンパク質量を割り出す必要があります。

▼目標量のタンパク質量の求め方

①エネルギー摂取量(kcal)× %エネルギー=タンパク質が持つエネルギー量(kcal)
②タンパク質が持つエネルギー量(kcal)÷ 4kcal(タンパク質1gあたりのエネルギー)
  =目標量のタンパク質量(g)

仮に35歳男性のエネルギー摂取量が2,300kcalで、目標量の%エネルギーが13%である場合、以下の計算になります。

①2,300kcal × 13% = 299kcal(タンパク質が持つエネルギー量)
②299kcal ÷ 4kcal =74.75g  ≒ 75g(目標量のタンパク質量)

計算すると、35歳男性(2,300kcal、エネルギー比率13%とした場合)のタンパク質摂取量の目標量は「75g」という計算結果になります。

このように日本人の食事摂取基準から1日あたりのタンパク質摂取量を割り出します。

1日に必要なタンパク質を献立例【1日60gの場合】

1日に必要なタンパク質摂取量については前述の通りですが、具体的にどのような献立だと必要なタンパク質摂取量を充足できるのでしょうか。

そこで、年齢や性別、エネルギー・タンパク質摂取量を以下条件で設定した場合のメニュー例をご紹介します。

▼条件

  • 対象:20代女性(活動量低め)
  • 1日あたりの摂取エネルギー量:1,700kcal
  • 1日あたりのタンパク質摂取量:60g(エネルギー比率14%)

▼エネルギー1,700kcal/日、タンパク質60g/日としたときの献立例

項目献立例
朝食

エネルギー:480kcal
タンパク質:19g
  • ハムサンドイッチ
  • トマトとしらすのサラダ
  • オレンジ
  • ミルクティー
昼食

エネルギー:650kcalタンパク質:21g
  • 中華丼
  • きゅうりの和え物
  • 卵スープ
夕食

エネルギー:570kcalタンパク質:20g
  • ご飯
  • さばの塩焼き
  • ほうれん草の和え物
  • さつまいもの甘煮
  • 豆腐とわかめの味噌汁

朝食・昼食・夕食いずれも、主食・主菜・副菜を揃えた献立の構成です。

主菜は、朝食だと「ハムサンドイッチ」、昼食だと「中華丼」、夕食だと「さばの塩焼き」にあたります。

タンパク質が豊富な食品は、肉、魚、卵、豆、乳製品であるため、主菜でしっかりタンパク質を摂れる献立となっています。

また、ポイントとしては主菜だけでなく、副菜・汁物にもタンパク質を含む食品を使用すること。

副菜や汁物にも1〜2品ほど、タンパク質を含む食品を使うことで、毎食20g程度のタンパク質をしっかり摂取することが可能です。

献立で意識したいタンパク質摂取のポイントや注意点

日々の食事において、タンパク質を必要な分を摂取し続けるためには、いくつかのポイントや注意点があります。

それでは、一つずつ解説していきます。

①毎回の食事でタンパク質を摂取する

毎回の食事でタンパク質を含む食材を摂取するようにしましょう。

タンパク質は体内において、常に合成・分解が行なわれているため、タンパク質はコンスタントに取り入れる必要があります。

1回の食事でタンパク質をたくさん摂っても、消化・吸収が上手くされない場合もあるため、1日3食の食事で分けて摂るようにしましょう。

3回の食事でタンパク質を充足できない場合は、間食やおやつにチーズをつまむ、牛乳を飲むといった補給方法も検討してみてください。

②脂質の多い動物性食品に注意する

タンパク質と言えば、肉類をイメージされることが多いかと思いますが、脂質の多い動物性食品には注意しましょう。

肉類のうち、特に牛肉や豚肉は脂質を多く含むため、食べる量が多いと脂質の摂り過ぎにより、カロリーオーバーや生活習慣病の発症リスクが上昇する原因になります。

肉類は良質なタンパク質源ですが、脂質の多い牛肉や豚肉に偏らないようにしましょう。

③植物性タンパク質も取り入れる

肉や魚、卵や乳製品だけでなく、植物性のタンパク質も献立に取り入れるようにしましょう。

植物性タンパク質は植物性食品に含まれるタンパク質で、食材の例として以下があります。

▼植物性タンパク質を含む食材例
  • 大豆・大豆製品(豆腐・納豆・豆乳・厚揚げ・油揚げなど)
  • 穀類(米・とうもろこし・そばなど)
  • 野菜類(枝豆・ブロッコリー・アスパラガス・ほうれん草など)

上記の食品はタンパク質のほかにもビタミンやミネラルも豊富に含む食品ですので、積極的に取り入れたい食品です。

ただ、植物性食品は動物性食品よりもタンパク質含有量が少なく、体内での利用効率も良くないことが多いため、動物性食品と一緒に複数種類を組み合わせて、タンパク質を補うという使い方が良いでしょう。

④主菜以外にもタンパク質を含む食品を取り入れる

主菜以外の料理にタンパク質を含む食品を活用することも、献立で意識したいポイントです。

主菜以外のおかずや汁物にタンパク質を含む食品を取り入れると、手軽にタンパク質摂取量が増やせます。

例えば「和え物にしらすやツナをトッピングする」「飲み物を牛乳にする」「汁物を豆乳スープにする」「朝食にヨーグルトをプラスする」といった工夫がおすすめです。

⑤タンパク質の摂り過ぎに注意する

食事でタンパク質を摂取することは重要ですが、摂り過ぎには注意する必要があります。

日本人の食事摂取基準(2020年版)ではタンパク質の摂取上限量は定められていませんが、タンパク質の摂り過ぎによって栄養バランスが偏ったり、エネルギー過剰摂取になったりする恐れがあります。

タンパク質の摂取量は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」のタンパク質目標量に示されているエネルギー比率に調整するようにしましょう。

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