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2024.11.28

給食は栄養バランスが良い食事の手本|給食の根拠となる基準やガイドラインについても解説

学校や社員食堂、医療機関、介護施設などにおいて提供される給食は、喫食者に食べる楽しみを与えるほか、栄養がバランス良く摂れるように献立が計画されていることから喫食者の健康につなげる役割も持っています。

本記事では、給食の栄養バランスのとり方について、関係する国の基準やガイドラインに触れながら解説します。

給食は栄養バランスが良くなるように計画されている

さまざまな施設で提供される給食は、基本的に栄養バランスが良くなるように設計がされています。

というのも、給食は「日本人の食事摂取基準(※)」をもとに、施設ごとに給与栄養量(食事として提供される食品に含まれる栄養素の量)が設定され、喫食者に必要な栄養量を満たすように献立が計画されているためです。

日本人の食事摂取基準とは、厚生労働省が策定し、国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防を目的としてエネルギーや各栄養素の摂取量を定めたもの。1日あたりに必要なエネルギー量や栄養素の目標量、上限量が設定されています。

つまり、給食は国が定めた栄養基準を根拠として計画された食事であるため、栄養バランスが良いとされているのです。

(※)日本人の食事摂取基準

学校給食は「学校給食摂取基準」をもとに献立が考えられている

学校給食の場合は文部科学省が定める「学校給食摂取基準」に基づき、必要な栄養量が算出されています。

学校給食摂取基準は、健康の増進および食育の推進を図るために小学生・中学生の基準栄養量を定めたもの。この基準をもとに地域や各学校ごとに合わせた栄養量で給食が運用されています。

エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなどの摂取量が規定されており、1食あたり約600〜700キロカロリーを目安に、1日の必要栄養量の約3分の1が学校給食で提供されるように設計されています。

このように、学校給食は成長期の子どもに必要なエネルギーや栄養素が十分に摂取できることを目的として、学校給食摂取基準に基づき、栄養バランスが良い献立が計画されてるのです。

治療食は学会ガイドラインに沿った献立が計画される

病院などの医療機関では疾病の診断と医師の指示により、患者の病状に応じて個別に治療食が提供されます。

基本的に病院で提供される治療食は、各学会ごとのガイドラインに基づき、必要な栄養量を算出するほか、食事形態の選択や調理方法も設計されます。

例えば慢性腎臓病患者の場合、日本腎臓学会の「CKD診療ガイド」を基にし、たんぱく質やカリウムを制限した治療食を提供。また脂質異常症患者の場合は、日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」を基にし、炭水化物・脂質(飽和脂肪酸含む)のバランスをコントロール。食物繊維を十分に摂取できる治療食が提供されます。

また、あわせて治療の経過や方針に合わせて食事内容を変更したり、栄養量の見直しを行ったりします。

このように病院の治療食の場合は、各学会のガイドラインに従いながら、患者の状態に適切な栄養管理および治療食の提供が行われています。

給食の栄養バランスを良くする取り組みとは

給食の栄養バランスを良くする取り組みとは

給食は国が定めた基準を基に、必要とされる栄養量を満たす献立が計画されていることを説明しましたが、具体的にどのような取り組みによって栄養バランスが良い献立が実現しているのでしょうか。

献立の計画時や調理時における取り組みをいくつか見ていきましょう。

主食・主菜・副菜を意識した献立

給食は主食・主菜・副菜に加え、乳製品と果物が揃えられているパターンが一般的です。それぞれの役割や食材例について以下にまとめました。

項目役割食材例
主食炭水化物の供給源ごはん
パン
麺類など
主菜たんぱく質の供給源

大豆・大豆製品卵など
副菜ビタミン・ミネラル・食物繊維の供給源野菜
豆類(大豆除く)
海藻類など
乳製品カルシウムの供給源牛乳
チーズ
ヨーグルトなど
果物ビタミンC・カリウムなどの供給源果物類

栄養バランスが良い食事とは、エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルといった、人にとって必要な栄養素を必要な量摂取できる食事のこと。その食事を実現するには、主食・主菜・副菜を揃えることが理想的とされています。

給食は主食・主菜・副菜に加え、乳製品・果物も揃っているケースが多いため、自然と栄養バランスがとれる食事を実現しているのです。

関連記事:献立の主食・主菜・副菜の定義とは?役立つ献立作りのポイント

味付けの工夫をする

給食の献立では栄養バランスを保つこと、特に塩分摂取量が過剰にならないことを目的に、同じ日のメニューで味付けが偏らないようしたり、味が濃くなり過ぎないようにしたり工夫されています。

塩分摂取量が過剰になると慢性的に血圧が高くなり、生活習慣病発症のリスクも生じてしまいます。そこで献立の計画時や調理時における、塩分摂取量が過剰にならないための工夫の一例を以下にまとめました。

  • 汁物や煮物の味付けで出汁をしっかりと利かせる
  • 主菜が濃い味付けなら副菜はあっさりとした味付け
  • 香辛料の辛みや柑橘類の酸味を活用した味付け など

このように、味の種類を複数活用したり、献立のなかで味にメリハリをつけるなどの工夫がされています。

調理方法を分散させる

調理方法の多様化は、栄養バランスを良くするのに大きく貢献する手段です。

例えば主菜が揚げ物、副菜が野菜の炒め物の献立だと、同じ献立のなかで油を使う料理が2品あるため、おのずと脂質摂取量が多くなってしまいます。

そのため、揚げ物が主菜とする場合は、副菜は油を使わない蒸し物や和え物を組み合わせるというように調理方法を分散させる工夫がされています。

旬の食材を使用する

旬の食材は季節の移り変わりが楽しめるほか、栄養価が高いということもあり、献立に積極的に組み込まれる食材です。

ほうれん草を例に挙げると、冬採りのほうれん草は夏採りのものと比較して、ビタミンCが約3倍多いというデータもあります。

そのため、季節によって栄養価が高くなる食材を給食に取り入れることも、栄養バランスを良くするのに貢献しています。

多様な食材を偏りなく使用する

献立の計画において多様な食材を使用することが、特に学校給食では重視されているポイントです。肉・魚・卵・乳製品・穀物・野菜・豆類・海藻類・果物など、食品群のバランスに留意しつつ、多様な食材が選定されています。

というのも、特定の食材ばかりが献立に取り入れられていると、栄養バランスが崩れてしまうため。複数の食材を組み合わせることで、おのずと栄養バランスが整えられるため、多様な食材を偏りなく使用することが大切なのです。

また、普段は馴染みのない食材を給食を通じて知るという意味でも、多様な食材を取り入れることは重要です。

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